おしりの穴が痒くなる原因

その他の病気について

 

肛門掻痒症と症状は似ていますが、実は違う病気もあります。「接触皮膚炎」や「皮膚カンジタ症」などがそれに当たります。これらの病気の場合には、それに応じた治療が必要になります。

 

「接触皮膚炎」は、いわゆる「かぶれ」です。おしりの穴がかぶれてしまう原因としては、市販の軟膏やナプキン、肛門専用のスプレー、消毒薬、ウエットティッシュなどによるものが多いようです。症状を悪化させないためには、これらのものを使用することを止めて下さい。

 

また、脱肛や痔瘻からの分泌物でかぶれるケースもあります。この場合には、脱肛や痔瘻の治療をしなければ皮膚炎も完治しません。

 

「皮膚カンジダ症」とは、いわゆる「カビ」であり、水虫のようなものです。そもそも正常である皮膚にもカンジダという真菌は少しだけ存在していますが、体の抵抗力が落ちてくると増殖し始めます。ただ、痒みはそれほどありませんし、あったとしても軽いことが多いようです。

 

また、稀にではありますが、肛門に発生した皮膚癌によっておしりが痒くなることもあります。ずっと湿疹だと思って治療していたが、実は皮膚癌だったという症例もあります。

 

治療を始めてから1ヶ月以上たっても、おしりの穴の周りの湿疹が治らず、痒みが治まらなかったり、症状が悪くなるような場合には、一度、肛門科の専門医か皮膚科の専門医に診てもらったほうが安心だと思います。